モナコGP、ル・マン24時間耐久レースと並び「世界三大レース」の1つと言われる
インディアナポリス500(通称インディ500)が、2022年5月29日(日)に
インディアナポリス・モーター・スピードウェイにて開催されます。
日本からは、佐藤琢磨選手(デイル・コイン・レーシング)が参戦予定です。
佐藤琢磨選手といえば、インディ500で優勝しメディアを賑わせたことは記憶に新しいでしょう。
日本ではサラッと取り上げられている印象ですが、
地元アメリカでは、インディ500に優勝することはとても名誉なこととされていますし、
高額な賞金は選手や観客の心を魅了するひとつと言えるでしょう。
そんな歴史と格式あるレースの「インディアナポリス500」、
佐藤琢磨選手の他には歴代どんな選手やチームが優勝しているのでしょうか?
また、選手や観客の心を魅了してやまない高額な賞金とは、どのくらいもらえるのか?
そこでこの記事ではインディアナポリス500の
・歴代優勝者&記録/リザルト一覧
・歴代優勝者の日本人について
・優勝賞金
についてまとめていきます。
インディアナポリス500歴代優勝者&記録/リザルト一覧
過去10年の歴代優勝者や記録(リザルト)をまとめてみました。
優 勝 者 | チーム | タイム | 平均時速 (マイル時) | |
2012年 | ダリオ・フランキッティ (スコットランド) | チップ・ガナッシ・レーシング | 2:58’51.253 | 167.734 |
2013年 | トニー・カナーン (ブラジル) | KVレーシング・テクノロジー | 2:40’03.418 | 187.433 |
2014年 | ライアン・ハンター・レイ(アメリカ) | アンドレッティ・オートスポーツ | 2:40’48.230 | 186.563 |
2015年 | ファン・パブロ・モントーヤ(コロンビア) | チーム・ペンスキー | 3:05’56.528 | 161.341 |
2016年 | アレクサンダー・ロッシ (アメリカ) | アンドレッティ・オートスポーツ | 3:00’02.087 | 166.634 |
2017年 | 佐藤琢磨(日本) | アンドレッティ・オートスポーツ | 3:13’03.358 | 155.395 |
2018年 | ウィル・パワー (オーストリア) | チーム・ペンスキー | 2:59’42.636 | 166.935 |
2019年 | サイモン・パジェノー (フランス) | チーム・ペンスキー | 2:50’39.279 | 175.794 |
2020年 | 佐藤琢磨(日本) | レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング | 3:10’05.088 | 157.824 |
2021年 | エリオ・カストロネベス (ブラジル) | メイヤー・シャンク・レーシング | 2:37’19.384 | 190.690 |
2022年 | マーカス・エリクソン(スウェーデン) | Chip Ganassi Racing/ホンダ | 2:51’00.643 | |
2023年 | ジョゼフ.ニューガーデン(アメリカ) | チーム・ペンスキー |
(※レース距離は2012~2021年まで500マイル)
1911年、インディ500が初めて開催された年の優勝者はレイ・ハルーンで、そのタイムは
6時間42分8秒、平均時速は74.602マイル(約120km)でした。
時速120kmですと、現在では一般車でも軽く出せる速度ですね・・・。
一方、過去最速の優勝タイムは、2021年のエリオ・カストロネベス選手で
2時間37分19秒、平均時速190.690マイル(約306km)となります。
同じ500マイルの距離でも4時間近く縮まりました。
技術の進歩とともに、110年でかなり早くなったのがわかります。
最高速度は時速380kmになるとも言われており、1秒で100m以上進むことになります。
この速度の中、コースや空気を読み、他のドライバーの動きを確認しながら走る・・・
これは一般の人には体験することが出来ない世界です。
命の危険と隣り合わせのレースを、その神業のようなドライビングテクニックで走り抜けていく
姿が観客の心をグッと鷲掴みにするのでしょう。
また優勝者が所属していたチームを見てみると、10年の中で「アンドレッティ・オートスポーツ」や
「チーム・ペンスキー」が多くあることがわかります。
これはインディ500というレースが、ドライバーだけでなくチームの技術力を競うところに
焦点を当てていることも大きいと言えるでしょう。
インディアナポリス500歴代優勝者の日本人について
上記の歴代優勝者の表を見てもらうとわかるように、
日本人では2017年と2020年に佐藤琢磨選手が優勝しています。
過去を見ても、日本人は佐藤琢磨選手ただ1人しかいません。
そして、アジア人初のインディ500優勝者でもあるのです。
また、このインディ500で複数回優勝しているのは、佐藤琢磨選手を含めたったの20人。
(※20人の内訳:4回4人、3回6人、2回10人)
毎年33人のレーサーたちが優勝を目指して走り、昨年のレースで105回目を数えました。
参加したたくさんのレーサーの中で、優勝を重ねた選ばれし20人の1人に入れることは、
とてもすごいことですね!
そんなすごい佐藤琢磨選手とは、どんな選手なのでしょうか。
学生時代は自転車競技をしていたそうですが、こちらもインハイ優勝など全国レベルの
実力だったようです。
そして20歳の時にモータースポーツの世界へ入り、2002年にF1デビュー、
その2年後には表彰台へ上がりました。
そして2010年からインディカー・シリーズに参戦し、インディ500で2回優勝。
F1とインディカーの両方で表彰台にあがった唯一の日本人です。
現在5人しかいない「エリートドライバー」のひとりとして活躍しています。
佐藤琢磨選手は2020年優勝の時、
「日本は2011年に震災で大勢が犠牲となり、いまもなお大雨や地震に見舞われている。
だからこの優勝が少しでも日本を元気づけ、多くの支援に感謝を示せたら良いと思う。」
とコメントしており、優勝という記録だけでなく人柄も素晴らしい選手であることがわかります。
インディアナポリス500の優勝賞金は?
過去5年間の優勝賞金をまとめました。
優勝賞金 | |
2017年 | 245万8129ドル(約2億7267万円) |
2018年 | 252万5454ドル(約2億7457万円) |
2019年 | 266万9529ドル(約2億9226万円) |
2020年 | 137万 500ドル(約1億4500万円) |
2021年 | 182万8304ドル(約2億 67万円) |
表を見るとわかるように、2020年は前年の半額くらいになっています。
実は、2020年は賞金総額が過去最高の1500万ドル以上になると発表されており、
それに伴い優勝賞金額アップも期待されていましたが、コロナの影響を受け変更を
余儀なくされてしまったのです。
レースは無観客で開催されたためチケット収入がゼロになり、賞金金額も減額になりました。
2003年以降で最も少ない額になっています。
2021年は観客数を13万5000人に抑えながらの開催となり、優勝賞金は約50万ドル増額で
少し回復の兆しがあります。
今年も期待できるのではないでしょうか。
そして、過去最高額は2009年のエリオ・カストロネベス選手で304万8000ドル(約3億円)です。
連覇ボーナス
トロフィーを贈呈しているボルグワーナーは、連覇を達成したドライバーのために
毎年2万ドル(約218万円)のボーナスを用意しています。
連覇が達成されなかった時は翌年以降にキャリーオーバーされますが、
1995年に始まって以来、今までに達成したのは、2002年のエリオ・カストロネベス選手だけで、
このときは16万ドル(約1747万円)を手にしました。
連覇者がいないと賞金はどんどん膨れ上がっていき、それがまた高額賞金の夢へと
つながっていくのです!
昨年の優勝者はエリオ・カストロネベス選手で、前回の連覇でボーナスを獲得した選手となります。
今年もし連覇を達成すると、ボーナス賞金40万ドル!
また同じ選手に連覇ボーナスがいくのか、今年もキャリーオーバーされるのか、
こちらも楽しみの1つですね。
牛乳を飲むとボーナス
インディ500では表彰台で優勝者が牛乳を飲むという慣習があります。
1933年の優勝者が表彰台で飲んだことが始まりで、現在では牛乳を飲むと
スポンサー(インディアナ州酪農協会)から1万ドルのボーナスが出るようになりました。
優勝者は他にも色々もらえる!
・純銀製の優勝トロフィー
スポンサーの名前をとり「ボルグ・ワーナー・トロフィー」と呼ばれ、
歴代優勝者の顔が彫刻されています。
このトロフィーは持ち帰ることが出来ないので、優勝者にはミニ型の
「ベビー・ボーグ」が贈られます。
・チャンピオンリング
インディ500では33人の決勝出場者全員に、アメリカンサイズのリングが授与されますが、
優勝者にはさらに大きなチャンピオンリングが贈られます。
・ペースカー
実際にその年のレースで使われたペースカーは、優勝者にプレゼントされます。
まとめ
今回はインディアナポリス500の歴代優勝者や記録(リザルト)、日本人優勝者や賞金について
まとめてきました。
過去を振り返るとエリオ・カストロネベス選手(ブラジル)が
様々な記録を持っていることがわかりました。
・最速記録 2021年 2:37’19.384
・最多優勝記録 4回(4人のうちのひとり)
・最高優勝賞金 2009年 304万8000ドル(約3億円)
・唯一の連覇ボーナス獲得者
また日本人では佐藤琢磨選手が、日本人初&唯一の優勝経験者です。
アメリカ発祥のインディ500を制することは、名誉だけでなく高額賞金が手に入る
アメリカンドリームと言われています。
今年はアメリカンドリームを感じながら、レース観戦をしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでくれてありがとなんだぜ!